課題研究成果報告

連番
000011
代表研究者氏名
谷藤 亜希子
研究代表者所属機関名・役職
神戸大学医学部附属病院薬剤部・薬剤主任
課題研究班メンバー (代表者:○) ※所属は申請時点
○谷藤 亜希子、野崎晃、槇本博雄、平野剛、平井みどり
神戸大学医学部附属病院薬剤部
課題研究名
医薬品情報管理の効率化を目指した普遍的な医薬品情報の共有と統合
設置期間
平成27年4月1日~平成28年3月31日
課題研究の背景及び目的

1.課題研究の成果
【目的】
医療機関の医薬品情報(DI)室担当者は,様々なDIを評価,加工し,一覧表などの院内資料として医療従事者に提供している.一方,DI室の薬剤師数は限られており,DIの評価や作成した資料の改訂に相当な時間と労力を要していると推測される.
 本研究では,医療機関で普遍的に必要とされるDI資料を統合し,インターネット等で情報共有することを最終目標とし,まずは各医療機関で二次加工されているDI資料の種類,作成時に用いた情報源,作成に要した時間などの実態を把握することとした.
【方法】
(1)予備調査:医学中央雑誌を用いて一覧表などのDI資料の作成事例を検索した.(2)アンケート調査:無作為に抽出した300の医療機関のDI室担当者宛てに調査票を郵送した.予備調査で抽出したDI資料を例示し,自施設のDI室で作成している主な資料,作成時に用いた情報源,作成に要した時間,改訂頻度,改訂に要する時間を調査した.
【結果】
148施設から返信(49.3%)があり,延べ707件のDI資料,多い順に術前休薬に関する資料(130件),フィルター使用やルート素材に注意が必要な注射薬の一覧(67件),ハイリスク薬一覧(54件),内服薬の簡易懸濁・粉砕等の可否に関する情報(37件)などが挙げられた.術前休薬に関する資料の場合,資料作成に要した時間は43±57時間,改訂に要する時間は8±15時間(平均±標準偏差)であった.改訂頻度は97施設(74.6%)が不定期と回答し,該当薬の新規薬価収載,診療ガイドラインなどの改訂に併せて更新されていた.作成時の情報源は各種学会の診療ガイドラインが多く,複数の施設で共通していた.
【考察】
多くの医療機関で作成されているDI資料は普遍的に必要な情報と考えられた.作成時に用いた情報源も共通しており,これらのDI資料の統合は十分可能と考えられ,本研究の推進はDI業務効率化の一助となることを確信した.
2.研究発表
[学会発表]
1. 谷藤 亜希子、野﨑 晃、槇本 博雄、平野 剛、平井 みどり. 医薬品情報管理の効率化を目指した普遍的な医薬品情報の共有と統合.(口頭) 第 19 回 日本医薬品情報学会総会・学術大会、2016 年 6 月 4 日、昭和薬科大学

資料