課題研究成果報告

連番
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代表研究者氏名
榊原 統子
研究代表者所属機関名・役職
一般財団法人日本医薬情報センター・課長補佐
課題研究班メンバー (代表者:○) ※所属は申請時点
○榊原 統子1)、小林 映美1)、山田 耕司1)、上原 恵子1)、若林 進2)、澤田 康文3)、三木 晶子3)
1)一財)日本医薬情報センター、2)杏林大学医学部付属病院薬剤部、3)東京大学大学院薬学系研究科
課題研究名
薬剤師の医薬品情報リテラシー向上を目指した薬剤業務事例に学ぶ教材の開発
設置期間
平成26年4月1日~平成28年3月31日
課題研究の背景及び目的

1.課題研究の成果
【目的】
薬剤師の日常業務で生じる疑問をリアルタイムで解決するために、必要な医薬品情報へのアクセス方法、情報コンテンツの収集・評価・解析法などを提示した動画教材の開発を目指した。
【方法】
問題点を含み医薬品情報リテラシーを活用して解決できる内容の「一包化処方」をテーマとした動画教材を開発した。作成した教材の効果を評価するため、試験公開サイトを作成し、2015年6月27日からWeb上で試験公開するとともに、9月30日まで視聴後アンケートを実施した。
結果:教材は、時間のない薬剤師が利用することを念頭に構成を考慮した結果、10分以内(9分29秒)の動画と、その補足資料(pdfファイル)とした。また、動画の内容は日常的に違和感のない場面になるように心がけた。視聴後アンケートの回答は、115件得られた。回答者の実務経験年数は10年以上が 90% を占めており、経験豊富な薬剤師が多い傾向にあった。動画について、学習できたことがあった・少しあったとの回答は 89% であった。動画の内容については、本筋の改善点の指摘はほぼなかった。補足資料についての要望は、リテラシー以外の内容の追加要望がほとんどであった。評価法などの基礎的でない内容の要望もあったため、補足資料として追加するのは適切でないと考え、専門書籍の紹介を加えた。
【考察】
視聴後アンケートの結果より、本教材はリテラシーの基礎を学習する教材として有用であり活用できる内容と考えた。実務で起こりうるシナリオであったので、入り込みやすく、具体的な手順で説明を加えたため、初心者にも理解しやすかったためと考えられる。今回の教育コンテンツのターゲットとしていたのは、医薬品情報リテラシーをあまり意識したことがない薬剤師であったが、実務経験豊富な薬剤師が多い傾向にあった。これは、動画の試験公開をアナウンスできた対象が、学会参加者や情報交換、研修システムに登録している薬剤師であったことが一因と考えられた。今後は、自己学習の他、講習会などで使用してもらえるよう広く広報していきたい。
2.研究発表
[学会発表]
1. 榊原 統子、上原 恵子、小林 映美、山田 耕司、若林 進、三木 晶子、澤田 康文. 薬剤師の医薬品情報リテラシー向上を目指した薬剤業務事例に学ぶ教材の開発(1).(口頭) 第 18 回 日本医薬品情報学会総会・学術大会、2015 年 6 月 28 日、岡山大学創立五十周年記念館
2. 山田 耕司、榊原 統子、上原 恵子、小林 映美、若林 進、三木 晶子、澤田 康文. 一包化調剤を行う際の注意点の分析.(ポスター) 第 18 回 日本医薬品情報学会総会・学術大会、2015 年 6 月 28 日、岡山大学創立五十周年記念館
3. 小林 映美、榊原 統子、上原 恵子、山田 耕司、若林 進、三木 晶子、澤田 康文. 一包化調剤を行う際の注意点の分析.(ポスター) 第 18 回 日本医薬品情報学会総会・学術大会、2015 年 6 月 28 日、岡山大学創立五十周年記念館
4. 榊原 統子、上原 恵子、小林 映美、山田 耕司、若林 進、三木 晶子、澤田 康文. 薬剤師の医薬品情報リテラシー向上を目指した薬剤業務事例に学ぶ教材の開発(2)(口頭) 第 19 回 日本医薬品情報学会総会・学術大会、2016 年 6 月 4 日、昭和薬科大学
[その他発表等]
・第26回日本医療薬学会(2016年9月)のシンポジウム18にて関連の内容を発表。
・栃木県薬剤師会の平成28年度第一回薬剤師生涯学習研修会にて関連の内容を発表及び動画放映。
・熊薬東京バッテン会卒後研修会(2016年11月)にて関連の内容を発表及び動画 放映。
[その他総説等]
・榊原 統子、薬剤師の医薬品情報リテラシー向上を目指した取り組み、ファルマシア、52(10): 945-947, 2016.
・榊原 統子、活躍の場が広がる今こそ求められる 医薬品情報リテラシー、ApoTalk、50: 2-5, 2016.
資料