課題研究成果報告

連番
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代表研究者氏名
丸山 順也
研究代表者所属機関名・役職
慶應義塾大学薬学部・助教
課題研究班メンバー (代表者:○) ※所属は申請時点
○丸山 順也1)、望月 眞弓1)、橋口 正行1)、三林 洋介2)
1)慶應義塾大学薬学部、2)首都大学東京・東京都立産業技術高等専門学校
課題研究名
一般用医薬品の添付文書における記載項目の変更が理解度に及ぼす影響およびアイ・トラッカーを用いた理解度に関する応用可能性の研究
設置期間
平成26年4月1日~平成28年3月31日
課題研究の背景及び目的

1.課題研究の成果
【目的】
我々は一般用医薬品の添付文書の理解度調査法を開発してきた。これまでの先行研究から、添付文書の文字の大きさやレイアウト等を変更することで、誘目性が上昇したとしても、必ずしも理解度の向上には繋がらないことが示唆された。また、生活者にとって一般用医薬品の添付文書の記載内容は専門的でわかり難いとの意見があった。本研究では、アイ・トラッカーによる視線運動(停留や戻り読み)と文章中の難解な部分に相関があるかを探索的に調査し、評価を行うと共に、視線運動が文章の理解とどのように関連しているかを検討する。
【方法】
H2ブロッカー薬の一般用医薬品の添付文書を参考に理解度調査用のスライドを作成した。アイ・トラッカーを用いて、対象者が調査用のスライドを一読する際の視線停留及び戻り読みの箇所を調査した。また、難解な用語の有無と難解と感じた理由についてインタビュー調査を行った。
【結果】
対象者11名(平均20.2±0.39歳、男性10名・女性1名)において、薬剤名や症状名等の医学専門用語が用いられた箇所で視線の停留や戻り読みが見られた。難解な表現については、「高齢者(80歳以上)」と「高齢者(65歳以上)」の区別がつかない等の意見が得られた。また、11名に対して難解と予想された用語に関する質問をしたところ、「浮腫」は33名(55%)、「白血球減少」と「血小板減少」は27名(45%)が正しく理解できていなかった。
【考察】
一般用医薬品の添付文書は、生活者にとって重要な情報源であるにも関わらず難解な用語や表現が存在することが明らかとなった。今後は、本研究の結果を踏まえ、一般用医薬品の添付文書に関して、生活者にとって意味がわからない用語や理解し難い文章表現を抽出する。さらに、用語や表現を改変した添付文書を作成し、改変後の添付文書が生活者にとって理解しやすくなっているかどうかを調査する必要がある。
2.研究発表
[学会発表]
1. 丸山 順也、三林 洋介、橋口 正行、望月 眞弓. 一般用医薬品の添付文書におけるアイ・トラッカーを用いた理解度に関する応用可能性の研究.(口頭) 第 18 回 日本医薬品情報学会総会・学術大会、2015 年 6 月 28 日、岡山大学創立五十周年記念館
2. 丸山 順也、長谷川 千恵、法師人 大基、三林 洋介、橋口 正行、望月 眞弓. 一般用医薬品の添付文書におけるアイトラッカーを用いた理解度に関する応用可能性の研究.(口頭) 第 19 回 日本医薬品情報学会総会・学術大会、2016 年 6 月 4 日、昭和薬科大学
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