ご挨拶
一般社団法人 日本医薬品情報学会 理事長挨拶
2024年6月より、林 昌洋前理事長の後任として、一般社団法人日本医薬品情報学会 理事長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。本学会は平成10年に設立され、平成26年には基盤整備と更なる充実・発展を目指して一般社団法人を設立し運営されてきました。
医薬品は、有効成分に製剤加工を施すことにより創られますが、創られた製剤は医薬品のハードウェアにすぎません。その製剤に、さまざまな情報、すなわちソフトウェアが付加されることで、はじめて医療において有用、安全な医薬品となります。すなわち、医薬品情報は、医薬品の重要な要素のひとつといえます。また、製剤は原則として市販後は変化せず、あらたな製剤はあらたな医薬品として扱われますが、これに対して医薬品情報は市販後も時事刻々と集積、変化していきます。すなわち、医薬品情報は医薬品の中でも最もダイナミックに変化する要素であるといえます。
このように、医薬品の重要かつダイナミックな要素である医薬品情報を創出、収集、評価、解析、提供、活用する医薬品情報学においては、医薬品に関連する様々な職種、団体のコラボレーションが必要となります。さらに近年では、情報科学が急速に発展し、ビッグデータ解析、自然言語処理、機械学習をはじめ、さまざまなAI技術が医薬品情報学の世界にも新たなうねりをもたらしています。このような環境にあって本学会では、病院や薬局などの医療現場における医療従事者のみならず、製薬企業、行政、大学などで活躍するさまざまな領域の専門家が、それぞれの専門性を活かして交流、協働しています。これらの活動は、最終的には有益な医薬品情報の創出とその有効な利活用を介して、国民の皆様の薬物療法の有効性、安全性を高め、安心と満足度を向上させることにつながっていると信じております。
私どもは、今後とも医薬品情報学に関する研究、教育の発展を目指して、会員相互の交流や、会員の力を最大限に発揮する機会の提供を介して、医薬品の適正使用を推進し、もって薬学及び医学、医療の進歩向上、国民の健康に貢献すべく、尽力してまいります。
何卒倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年7月
一般社団法人 日本医薬品情報学会
理事長 大谷 壽一